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合成写真と撮影のコツ

登録日:2013-03-29

わざとらしくない合成写真の加工

まだ僕が駆け出しのころ、「写真の加工について」教えに来てほしいというご依頼がホームページよりありました。
依頼主は会社や団体等ではなく、一般個人ののおじいちゃんで、お孫さんの写真を合成して年賀状等に使いたいが、どうにもうまくいかない。という内容でした。

 

おじいちゃんの作った合成写真をみると、確かに合成とすぐわかるものでした。
右の写真はちょうどその時の写真のイメージを再現したものです。
すぐ合成とわかりますね。

 

今回は、合成写真をよりリアルにするコツをご紹介します。ただし、今回は写真の組み合わせ方にポイントを置きますので、画像ソフトのテクニックは割愛します。

 

 

 合成に適した「組み合わせ」がある

 

合成写真は2枚以上の写真を組み合わせて1枚の写真にするわけですが、ここで重要なのは

それぞれの写真が「組み合わせられる写真かどうか」をまず検証することから始まります。

 

ポイントとしては

1.同じ方向から同じような光で撮影されているか?

2.撮影した際のカメラの高さがあっているか?

3.同じ画角のレンズで撮影されているか?

の3つが基本的に考えられます。
 

同じ方向から同じような光で撮影されているか?

まずは下の2枚をご覧ください。

よく似た芝生の写真ですが、明らかに太陽の当たっている方向が逆なのがお分かりいただけますでしょうか。このような組み合わせですと、仮に右の木を左に合成してもうまく合いません。

 

もともとよく似たイメージの組み合わせなので一見それっぽく見えますが、合成とすぐに分かってしまいます。

影のつき方が違いますね。

 

次はこの2枚をご覧ください。

左は早朝に撮影されたもので、右は正午あたりに撮影されたものです。

 

右の木を左の写真に合成してみましょう。

 

今回はそれっぽく影もつけてみましたが、やっぱり不自然ですね。

 

このように合成される写真はお互いに光の当たる方向や光の色が合わないと不自然となってしまいます。

 

撮影した際のカメラの高さ・角度が合っているか?

 

まずは下の2枚をご覧ください。

 

どちらも直射日光ではなく、背景側から光が来ている写真です。

ただし、左はやや上から、右はやや下から撮影されています。

これをスケールや光の色を調整して組み合わせてみると・・・

 

 

いい線行ってますが、やはり不自然ですね。

背景の見える角度と、被写体の見える角度が一致していないのがすぐわかります。

 

さっそく、合成写真をつくる

まず、ベースの写真を分析する。

 

では、先にも使用した「濡れた路面」の画像を使って説明します。

よりリアルな合成を行うには、ベースとなる写真をじっくりと見て、光の当たり具合はどこからどのようになっているか、カメラの高さはどれくらいの高さから撮られているか、また、レンズは何ミリのものを使用しているか、などを予測していきます。

この作業はやはり撮影の知識や経験値、勘が必要になります。

※実際右のものがあってるとは限りませんが、こうだろうなという予測です。

 

撮影。

今回はベース写真に合わせて撮影していますが、既に撮影された2枚を使用しても同じ考え方で組み合わせれば大丈夫です。(実際、同条件の2枚を探すのってすごく大変・・)

 

条件を合わせるために、曇りの日に同じレンズの画角で、同じ高さ、同じ光の当たり方を再現して、撮影しました。

場所は近所の駐車場です(笑)

切り抜いて使用するので、切り抜きやすい背景ならどこでも構いません。

実際、光の色が異なったため、後から色補正をしました(右の写真)

これで、ようやく先ほどの写真と組み合わせてみます。

 

 

ピッタリはまりましたね!

この写真は「HEVEA」というバックブランドのサイトにも使用したものですが、合成写真というのは結構奥が深いものです。

この考え方を理解しておけば、動画でのクロマキー撮影で背景を合成するなどといった場合でも応用できますね!

では、今回はおしまい!

 


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